ルマンドの研究ブログ

先端と事業化の狭間で揺れる研究系エンジニアの日誌です。自動走行、自律走行、コンピュータビジョンなど。

Honda SENSING の歩行者事故低減ステアリング

すっかりスルーしてしまっていましたが、ジェイド・レジェンド・オデッセイなどに搭載されている Honda SENSING では、歩行者検知時にステアリングが自動的に動いて、ドライバーに警告するそうです。

従来ホンダのレーザーレーダーベースの自動ブレーキは JNCAP 評価が低かったのですが、Honda SENSINGは色々な機能がワンパッケージに詰めてあり、本気で巻き返したいという意志を感じます。

解説動画 によると、システムがステアリングを切るわけではなく、遊びの範囲だけ動いてドライバーに対する警報することが目的のようですが、それでも回避行動として減速ではなく操舵を行うシステムとして、画期的ではないでしょうか。同時に反対車線を監視してはいないので、一概に操舵が正しい回避行動なのか、心配な面もあります。たとえば、後方のバイクはすでに歩行者に気づいていて、中央側に寄っていた場合、回避行動によって接触してしまわないのでしょうか。説明をよく聞くと、車線を逸脱していて、なおかつ歩行者を検知しているとき、LDWの設定によらず警報を出す、というもののようなので、そのような事態はほぼ起きないのでしょうが。

公式ページの解説 では「カメラとミリ波レーダーで検知」とあり、歩行者相手にレーダーが効くのだろうか、と思いましたが、日本電産エレシスが開発した特殊なレーダーを使っているようです。

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現状歩行者には画像認識しか有効なセンサがないので、競合メーカーからも類似の技術が出て選択肢が広がることを歓迎します。