2017年 渋滞した高速道路の自動運転
自動車メーカー各社は2020年の完全自動運転を目指すことで足並みを揃えたようですが、それが技術的な実用化を意味するのか、限定的な商用化なのか、量産車の販売を意味するのか、道のりが長すぎて不明確でした。しかし、東京モーターショーに合わせて、その最初のマイルストーンが決まりつつあるようです。
すでに3月にアウディやVWが高速道路の渋滞中に自動運転するシステムを2017年に発売すると発表していますが、
それに追従するように、日産とスバルも2017年に同様のシステムを発売するとのこと。
レーンキープ付きのACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が実用化されてからずいぶんと立ちますが、技術的に大きな課題はなかったように思えます。完全停車状態からの自動発進などで規制緩和された、という話は聞かないので、単に自動運転の流行に対するマーケティングの問題でしょうか?
車載カメラと機能安全
ON Semionductor の新しい CMOS センサが発表されました。news.mynavi.jp
LEDライトのフリッカー対策がウリとのことで、ああ確かにそういう需要もあるかな、と読み流していたら、気になる文言が。
ASIL レベルBに対応しているそうです。
ちょうど直前に東芝から発表されたばかりのセンサも、ほとんど同じような機能を備えています。
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2015_10/pr_j0101.htmwww.toshiba.co.jp
この資料だけではよくわかりませんが、メモリのECCのようなエラー検出機能でしょうか。さすがにセンサーで勘違いしてしまうことはないでしょうが、ISO26262 がバズワード化して久しい中、例えばもし今後 ASIL 対応の歩行者検知つきカメラモジュールが登場した際、機能安全対応≒高信頼性≒誤検知が少ない、とミスリードされてしまわないか不安です。実際には安全目標を達成していることを示す証拠の積み上げに過ぎないわけで、設計目標の高さとは無関係なわけですが。
個人的な偏見としては、自動車業界でカメラをやっている方は、バックモニター→カーナビ→エンターテインメント系だった方が多いような気がします。自動ブレーキの流行に合わせて、いきなりパワトレ系と接続された世界にやってきて、皆さんがどのように信頼性を設計しているのか、興味があります。
例えば車載カメラによる自動ブレーキで歩行者を誤検知し、道路上で急停車してしまうハザードをどう考えるか。自動ブレーキ作動中を操舵でキャンセルできるようにすることで、書類上はリスクアセスメントの過酷度・発生頻度・回避可能性のうち、回避可能性を上げることができるかもしれません。でも、自動ブレーキが必要な状況で、ドライバーが正常な状態にあると仮定してもよいのでしょうか。
ヨーロッパ自動車メーカーの部品取引先
上記記事の "Related Download" の中に、"Who supplies whom" という欧州の自動車メーカーの関係が一目瞭然の興味深いマトリックスがあります。見たことのない名前がたくさんある…。
同じサイトにある 2012 Top Suppliers も面白いですね、Magnaってこんなに大きかったんだ…。
赤外線投光機の自作
防犯カメラ用のものを買おうかな、と思っていて見つけた記事。
作り方は簡単!
パーライトにランプを取り付けて、カラーフィルムのRGBの3枚を重ねてセットしてしまえば完成です!
これで可視光だけカットされて赤外光が照射される強力なライトになります。
確かにこれは簡単で目からうろこ。ただ予算はあるから、やっぱり防犯カメラ用を買ってしまうかもしれない・・・。
Point Cloud Library をソースコードからビルドする
普段 All-In-One パッケージを使うのですが、更新が 1.6.0 で止まってしまっているため、最新の 1.7.2 が使えるよう、下記のサイトを参考に PCL をビルドしてみました。
Building PCL with Visual Studio
ポイントは2つだけ。
- 最小構成でよいなら Qt, QHull は不要
- Boost_MPI_LIBRARY_DEBUG, Boost_MPI_LIBRARY_RELEASE, Boost_SERIALIZATION_LIBRARY_DEBUG, Boost_SERIALIZATION_LIBRARY_RELEASE に関する警告については、特に私用されていないので無視してよい。
ただ、Visual Studio でのビルド済みパッケージも配布されてらっしゃるので、これ使ったほうが普通は楽です。
Object Recognition with Deformable Models
少し古いですが、Pedro Felzenszwalb氏のワシントン大学での講義風景。
聞き取りやすい英語で助かります。最近はこういった大学の講義が登録なしで簡単にYouTubeで見つかるのですごいですね。品質については千差万別ですが。これからも映像の質と講義の質が両立しているコンテンツを見つけたら、このブログで取り上げていきたいと思います。
GIMPで疑似カラー画像の作成
ステレオカメラの視差画像や赤外線カメラの画像を着色して疑似カラー(Pseudo-color)化する際、普通は openCV などで色相を操作して作成しますが、手元に事務作業用PCしかない場合などに、GIMPでサッと疑似カラーを作成する方法を紹介します。
最終的に目指す画像はこんな感じ。サンプル画像は定番の middleberry tsukuba です。